国立天文台・総研大天文科学専攻スプリングスクールプログラムが2022年3月7日(月)―3月10日(木)に開催されました。これは、将来天文学研究を志す人材を育成するために、大学理工系学部3年または2年に在学する天文学研究に強い意欲を持つ学生を対象として、国立天文台の最先端研究に携わる研究者が天文学基礎の集中講義および体験学習を行うプログラムです。今年は、新型コロナウィルス感染拡大防止を考慮しつつ対面開催を含むハイブリッド開催の可能性をギリギリまで探りましたが、感染状況に鑑み、対面開催を断念して昨年と同じく完全オンライン開催となりました。
集中講義では、国立天文台の多様な分野からの9名の教員により、惑星形成、遠方銀河・銀河形成、銀河考古学、星間化学、銀河活動核とブラックホール、太陽物理学、星形成、重力波天文学、装置開発について講義が行われ、日本全国から参加した合計45名の学部学生に、普段の大学の講義ではあまり触れない天文学の専門的な内容を学んでもらいました。
また、集中講義の他、「体験学習」をオンラインで実施し、太陽から遠方宇宙までの様々なスケールの天体や天文現象についての研究を、解析実習や論文輪読などを通して体験してもらいました。
講義のあとには関井副専攻長から入試情報の説明を行い、「様々な支援や体制など、学ぶための環境がとても充実しているように感じ、総研大について詳しく知ることができ進路の幅を広げられました」等のご意見をいただき、総研大で学ぶ良さについてお伝え出来る機会となりました。
プログラム後のアンケートでは、「天文学を集中的に学習するとても良い機会でした」「講義も体験学習も興味が膨らむ話ばかりで貴重な体験だった」「とても興味深く楽しい内容でした。次の機会にも是非参加したいです」「本当に楽しい4日間でした。サマーステューデントにも挑戦してさらに天文学への興味を深めていきたい」など、前向きな感想をたくさんいただきました。来年は対面で実施できることを願っています。
物理科学研究科 天文科学専攻 伊王野大介(国立天文台 アルマプロジェクト)、鹿野良平(国立天文台 JASMINEプロジェクト)、大村優美子(国立天文台 研究推進課⼤学院係)