銀河間重力相互作用が分子ガスに与える影響について

【日時】5月26日(水) 10:30~12:00
【場所】国立天文台・三鷹 中央棟(北)1階 講義室
【発表者(敬称略)】金子 紘之(総研大 D3・野辺山、指導教員 : 久野 成夫)
【タイトル】銀河間重力相互作用が分子ガスに与える影響について
銀河同士の近接相互作用(衝突、合体)現象を起こしている天体、相互作用銀河は銀河の進化に対して重要な役割を持つ。
例えば、渦巻銀河から楕円銀河へと進化や、高輝度赤外線銀河(ULIRGs)の発現にもこれら相互作用銀河が影響しているといわれている。
相互作用銀河の特筆すべき性質の一つに爆発的な星形成があげられる。
数値計算によって、多くの研究が進められており、いくつかのメカニズムが提唱されている。
しかしながら、星形成の直接の母体である分子ガスに関する今までの観測は、装置的、時間的資源の制限からその殆どがごく限られた領域で行われているに過ぎず、星形成が活発化していく過程を理解するには不十分である。
爆発的星形成の前段階である相互作用初期~中期の天体に対して系の内部を分解して観測し相互作用が分子ガスに与える影響を詳細に調べることは爆発的星形成のメカニズムを明らかにする上で非常に重要である。
そこで我々は、野辺山45m電波望遠鏡を用いて、比較的近傍にあるいくつかの相互作用初期~中期と目される相互作用銀河に対して12CO(1-0)輝線マッピング観測を続けてきた。
本発表では、この観測結果を中心に報告する。