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2019年度国立天文台・総合研究大学院大学サマーステューデントプログラム(夏の体験研究)

国立天文台・総合研究大学院大学サマーステューデントプログラムが夏休み期間中に実施されました。
このプログラムは、大学理工系学部2年または3年に在学する学生が、8月から9月の間の2~4週間程度国立天文台に滞在し、受入教員の指導のもとで研究を行うことができる制度です。
天文学研究に強い意欲のある学生に研究の機会を設けることにより、将来、天文学研究を志す人材を育成することを目的としています。
国立天文台の三鷹(東京都)、水沢(岩手県)、神岡(岐阜県)、ヒロ(ハワイ)及びサンティアゴ(チリ)のいずれか一つのキャンパスに滞在して研究を行い、研究受入期間最終日は国立天文台三鷹キャンパスで開催される合同発表会で研究成果を発表します。過去には、このプログラムの修了生が実際に総研大に入学した例もあり、学部学生にとっては大変貴重な経験が得られるプログラムとして定着しつつあります。

サマーチューデントの受け入れを希望する教員には研究指導内容のシラバスを提出してもらい、それをもとにして学生が希望する研究を選ぶことができます。教員は全部で37名。天文学の研究から装置開発まで非常に幅広い分野から選択できました。

今年で9年目となる本プログラムですが、今年は22名の学生がサンティアゴ(チリ)、ヒロ(ハワイ)、神岡、水沢、三鷹など、国立天文台の様々なキャンパスで体験研究を行いました。

2019年9月3日(火)最終日には三鷹キャンパスにて成果発表会が開催されました。
(下記タイトルです)

「アルマで見た初期原始星に付随する分子流ジェット」
「惑星近傍での降着過程に関する流体シミュレーション」
「非一様な星間媒質を伝播する超新星爆発による衝撃波の3次元流体シミュレーション」
「ALMAによる遠方銀河のダークマター質量分布についての研究」
「若い星に付随する太陽系外惑星の探査および軌道について」
「構造を持った原始惑星系円盤の近赤外線観測」
「 HSC/SSPで探る近傍矮小銀河の恒星種族」
「HSC-SSP で検出された赤方偏移 0.4 の星形成銀河の性質と銀河内の星形成活動の分布」
「遠方銀河団周辺領域のHα輝線銀河探査」
「すばるHyper Suprime-Camを用いた遠方銀河団探査」
「すばる望遠鏡用高視野高時間分解能カメラの開発-真空冷却カメラの組み立てと性能評価-」
「すばる望遠鏡用高視野高時間分解能カメラの開発-CMOS検出器の総合性能評価-」
「ALMAによる近傍不規則銀河のガスダイナミックスの研究」
「テラヘルツ光子計数型検出器に向けた回路素子の評価」
「ミリ波サブミリ波検出器アレイのための広帯域オンチップMagic Tの開発」
「重力波検出器KAGRAにおける共振器のフィネス測定の自動化」
「原始惑星系円盤からの複雑な有機分子のスペクトル」
「ALMAで調べる活動銀河中心核の特異な輝線強度比」
「VLBIデータを用いたM87ジェットの収束構造の研究」
「VLBIデータを使った3C84ジェットの収束構造の研究」
「アルマ観測データを用いたNGC1275の研究〜銀河団と核周領域をつなぐ複雑なフィラメントの降着〜」

2〜4週間と大変短い研究期間でしたが、英語の文献を読みながら装置開発の基礎を学んだり、データ解析用のプログラムを書いたり、観測装置の仕組みを学んだり、大学の講義ではあまり触れない内容を経験することができました。また、チリの合同アルマ観測所でのプログラムに参加した学生は、アルマ望遠鏡の山麓施設を訪問し、実際のアルマ望遠鏡システムの見学を行い、観測の運用を体験しました。成果発表会では、初めての研究発表で少し緊張気味の学生もいましたが、みなさん研究成果をしっかりとわかりやすい資料にまとめて生き生きと発表していました。

伊王野大介(国立天文台アルマプロジェクト/総研大物理科学研究科天文科学専攻)、
青木和光(国立天文台TMTプロジェクト/総研大物理科学研究科天文科学専攻)






















2019 国立天文台特別公開講座・総合研究大学院入試ガイダンス

2019511日、国立天文台三鷹キャンパスにて、特別公開講座および総合研究大学院大学入試ガイダンスが行われました。本年度も学部1年生から社会人の方まで、総勢60名の方々がご来場いただきました。

 特別公開講座では、国立天文台における天文学の最前線を中心に、青木 和光 准教授、竝木 則行 教授、石川 遼子 助教の3名の先生方から、それぞれの分野の研究をご講演いただきました。今年度は、宇宙探査やロケット実験等の最新の観測結果のご紹介があり、天文学における最先端技術について大変興味深いご講演をいただきました。講演後には、参加者から多くの質問も出て、天文学に対する大変熱心な姿勢に関心しました。

宇宙の初代星と銀河系形成~すばるとTMTの挑戦 (青木 和光 准教授)
「はやぶさ2」に見る小天体の姿  (竝木 則行 教授)
宇宙からみつめる -見えてきた新しい太陽の姿 (石川 遼子 助教)

第二部の総合研究大学院大学入試ガイダンスでは、副専攻長・教育委員長の関井 隆 准教授から総研大の入試についてご説明をいただき、富阪 幸治 教授から入試出題傾向についてご説明をいただきました。その後、在学生の竹村 英晃さんから総研大生の生活についてお話をお伺いました。

 

総研大入試ガイダンス (関井 隆 准教授)
入試出題傾向の解説 (富阪 幸治 教授)

第三部では、教員や院生との懇談会では、参加者が直接先生と話すことができ、講演では聞けなかった内容を伺うことができました。今年度は、ハワイ観測所に滞在中の先生相談ができるようにビデオ会議で接続しました。懇談会では、院生ブースも設置され、院試への勉強方法や院生生活についてなど、院生に直接聞くことができました。懇談会の後半には、希望者を対象に4D2Uシアターの見学と先端技術センターの見学が行われました。

懇談会 (その1)
懇談会 (その2)
懇談会 (その3)

参加してくださった皆様が国立天文台で研究されることを楽しみにしております。 

文責:政井 崇帆(総合研究大学院大学 物理科学研究科 天文科学専攻)

 

平成30年度3月専攻修了式を開催いたしました

平成31年3月25日、三鷹キャンパスにて平成30年度3月修了生3名の専攻修了式が執り行われました。
専攻長、副専攻長、指導教員、後輩たちに祝福を受け、和やかな式となりました。

なお、総合研究大学院大学平成30年度春季学位記授与式は3月22日に葉山にて執り行われ、修了生、指導教員等が出席いたしました。https://www.soken.ac.jp/news/6187/

常田台長/専攻長より激励のご挨拶
常田台長/専攻長と共に
SOKENDAI 新ロゴ Tシャツが 眩しいです
出席者全員で記念撮影
副専攻長/教育委員長・関井 隆准教授と共に
内山 久和 さん
指導教員 伊王野 大介准教授と共に
道山 知成 さん
神岡にて研究を共にした方々と
喜びを分かちあいました
奥富 弘基 さん

修了の皆様、おめでとうございました。

平成30年度スプリングスクールを開催いたしました

平成30年度スプリングスクールを開催いたしました。

国立天文台・総研大天文学専攻スプリングスクールプログラムが2019年3月4日(月)―3月7日(木)に国立天文台大セミナー室で開催されました。本プログラムは、大学理工系学部3年または2年に在学する天文学研究に強い意欲を持つ学生を対象とし、装置開発を含む最先端の天文学の基礎を学ぶことを目的としています。今年は、光赤外線天文学、電波天文学、太陽物理学、重力波天文学、理論天文学、装置開発の各分野から合計10名の教員がレクチャーを行い、日本全国から合計60名の学部学生の参加がありました。講義では、星惑星系の形成進化、太陽活動、銀河考古学、銀河と宇宙の進化、重力波、ブラックホール、観測装置の仕組み、など、普段の大学の講義ではあまり触れない内容を学ぶことができました。施設見学は4D2Uシアターと先端技術センターでした。先端技術センターの9箇所の最先端装置開発の現場から各自3箇所選択して、それぞれ15分間見学をするという新しい試みをしました。また、「集中講義」や「施設見学」の他、参加者同士の交流を深めるための「体験学習」を昨年に引き続き実施しました。この「体験学習」は、太陽から遠方宇宙までの様々なスケールの天体や天文現象について8つの研究テーマを用意し、実験や論文輪読などを通して体験することを目的としています。事前に希望調査をし、各研究テーマに7〜8人のグループに分かれて体験学習に取り組んでいただきました。最後に行われたアンケートでは、「貴重な体験ができた」「講義の時間が足りない」「今後の進路の参考にしたい」など、前向きな感想をたくさんいただきました。

4日間、10講義を開催

分野別の体験学習

先端技術センター施設見学

開会式での集合写真

伊王野大介(アルマプロジェクト/総研大 物理科学研究科天文科学専攻)、
早野裕(先端技術センター/総研大 物理科学研究科天文科学専攻)

「総研大アジア冬の学校を開催いたしました」 “SOKENDAI Asia Winter School (SAWS) 2019 was held”

「総研大アジア冬の学校を開催いたしました」
“SOKENDAI Asia Winter School (SAWS) 2019 was held”

平成31年2月27日から3月1日に、三鷹キャンパスにて総研大アジア冬の学校
“Star and Planet Formation: Key Questions and Challenges”が開催
されました。日本を含むアジア地域の6カ国から42名の参加者が集まり、
講義、グループ討論、討論内容の発表会が行われました。

SOKENDAI Asia Winter School (SAWS) 2019 “Star and Planet Formation:
Key Questions and Challenges” was held from February 27 to March 1
2019 at NAOJ Mitaka campus. Total 42 students were attending from
6 Asian countries including Japan. They enjoyed lectures, group discussion, and presentation sessions.

講義の様子 (Lecture)

グループ討論の様子 (Group discussion)

発表会の様子 (Presentation session)

集合写真 (Group photo)

廣田朋也(実行委員代表)、川邊良平(科学組織委員代表)