国立天文台・総合研究大学院大学サマーステューデントプログラムが夏休み期間中に実施されました。このプログラムは、大学理工系学部2年または3年に在学する学生が国立天文台に滞在し、受入教員の指導のもとで研究を行うことができる制度です。天文学研究に強い意欲のある学生に研究の機会を設けることにより、将来、天文学研究を志す人材を育成することを目的としています。過去には、このプログラムの修了生が実際に総研大に入学した例もあり、学部学生にとっては大変貴重な経験が得られるプログラムとして定着しつつあります。
今年度はCOVID-19感染拡大防止のため、例年とは形態を変えてオンライン中心で実施しました。期間を例年の1か月から8月~9月の2か月間に変更して、参加学生の都合に合わせ柔軟な指導体制をとれるようにしました。
サマーテューデントの受け入れを希望する教員には研究指導内容のシラバスを提出してもらい、それをもとにして学生が希望する研究を選ぶことができます。教員は全部で19名。天文学の研究から装置開発まで非常に幅広い分野から選択できました。オンライン開催という機会を活かして、海外在住の学生を受け入れることができたのも今回の特徴です。
今年で10年目となる本プログラムですが、今年は19名の学生が参加しました。英語の文献を読みながら装置開発の基礎を学んだり、データ解析用のプログラムを書いたり、観測装置の仕組みを学んだり、大学の講義ではあまり触れない内容を経験することができました。
受入教員主催のオンライン交流会や研究発表会を行い、参加学生も受入教員にとっても有意義な機会となりました。
伊王野大介(国立天文台アルマプロジェクト/総研大物理科学研究科天文科学専攻)、青木和光(国立天文台TMTプロジェクト/総研大物理科学研究科天文科学専攻)