1月12日(水)16:00~17:00 野辺山談話会 観測所 本館 輪講室
1月14日(金)15:00~16:00 VLBIコロキウム 南研2階VLBIセミナー室
1月14日(金)16:00~17:00 国立天文台談話会 中央棟(北)1階講義室
1月17日(月)10:00~17:00 ワークショップ「銀河形成と化学進化」講義室
1月12日(水)
- キャンパス
- 野辺山
- セミナー名
- 国立天文台野辺山 談話会
- 臨時・定例の別
- 定例
- 日時
- 1月12日(水曜日) 16時~17時
- 場所
- 野辺山観測所 本館 輪講室
- 講演者
- 宮本祐介氏
- 所属
- 筑波大学
- タイトル
- 渦巻銀河M51における分子ガスの運動と巨大分子雲複合体の動的進化
- 内容
-
銀河の渦状構造は銀河で最も目立つ特徴の一つである。銀河進化を考える上で
渦状腕のメカニズムやこれを形成する星、ガス進化の理解は重要であり、これら
を明らかにするために銀河円盤における分子ガスの動力学を調べることは欠かせない。
我々は近傍渦巻銀河M 51(距離~9.6Mpc)の分子ガスの運動と大質量星の母体である
巨大分子雲複合体(GMAs)の進化を調べるため、野辺山45m鏡/BEARSを用いてM51と
伴銀河NGC 5195を覆う9′×10′(25kpc×28kpc)の広域12CO(J=1-0)マッピング観測を行った。
その結果、渦状腕に沿って歪んだ速度場が得られた。これはガスが渦状腕の影響を受けて
運動していることを示しているが、観測されるガスの運動は視線方向成分だけであり、
銀河円盤内でのガスの運動は直接分からない。
そこでKuno&Nakai (1997)と同様の手法を用いて各SpiralPhase内の視線速度からM51円盤における
ガスの速度ベクトルを導出し、渦状腕に対して垂直・平行方向の速度ベクトルを詳細に求めた。
結果、M 51 の内側領域(R <3.3kpc)では、渦状腕に対するガスの速度変化は密度波理論で示される 振る舞いとよく一致しており、その外側では外側に行く程、伴銀河NGC5195の潮汐力の影響により 密度波理論から大きくずれることが分かった。 また、得られた速度ベクトルからM51円盤でのシアーの強度分布を求め、GMAsの空間分布と比較した結果、 これらの分布に反相関関係があることが分かった。さらに、GMAsがシアーの強い領域を通過するタイム スケールとシアーで破壊されるタイムスケールの比較からGMAsはシアーによって渦状腕下流でより小さい スケールの分子雲に破壊されうることが示された。 - 世話人の連絡先
- 名前:小野寺幸子、柴崎清登、高橋茂
- 備考
- テレビ参加可
1月14日(金)
- キャンパス
- 三鷹
- セミナー名
- VLBIコロキウム
- 臨時・定例の別
- 定例
- 日時
- 1月14日(金曜日)15時~16時
- 場所
- 南研2階VLBIセミナー室
- 講演者
- 三好真
- 所属
- 電波研究部
- タイトル
- VLBI昔話:NGC4258の高速度水メーザ
- 内容
-
1992年5月、野辺山45m鏡での系外銀河の水メーザ観測データを解析していた中
井は奇妙なラインを見つけた。銀河本体の後退速度から、(およそ70MHz)、速
度で千km/sも異なる水?のラインであった。NGC4258の中心核からの高速度水メ
ーザの発見である。
あまり知られていないエピソードを含め、当時を思い出して語る。
(この時、実は一番偉かったのは著者でも何でもないモリモトさんなんだが、
そんな話も) - 世話人の連絡先
- 名前:秦和弘(林隆之)
- 備考
- 水沢にはテレビ会議で繋ぎます。
- キャンパス
- 三鷹
- セミナー名
- 国立天文台談話会
- 臨時・定例の別
- 定例
- 日時
- 1月14日(金曜日)16時~17時
- 場所
- 講義室
- 講演者
- 宮崎聡
- 所属
- 国立天文台
- タイトル
- Hyper Suprime-Cam
- 内容
-
すばる望遠鏡の最大の特徴は結像性能の高さとその安定性である。
可視広視野撮像カメラSuprime-Camはこの特徴を最大限に生かし、
重力レンズ効果を利用したダークマターマッピング等、ユニークな
成果を生み出してきた。
一方、1990年代後半のダークエネルギー発見以来、その正体も
含め、宇宙論の諸問題の観測的解明に期待が集まってきている。
ただ、観測量に現れるダークエネルギーの痕跡は微少なため、
より多くの良質なデータを取得する必要があり、世界最大の
観測スピードを誇るSuprime-Camでも不十分であった。
そこで我々は、Suprime-Camのコミッショニングを完了した
2002年ころから、観測効率向上のためにさらなる広視野化を
達成し光学系の概念設計及びCCDの基礎開発を行ってきた。
検討の結果、硝材に石英を用い非球面を多用すれば直径2度
角が実現可能なことを示し、また完全空乏型CCDのプロト
タイプの開発に成功した。
これらの成果を受け、国立天文台を中心に東大、東北大、名大と
共同で2006年に特定領域研究の資金を申請・獲得し、Hyper
Suprime-Cam(HSC)の詳細設計開始した。結像性能を損なわ
ないためには、望遠鏡の動特性への影響等を最小限にする
必要がある。このため、望遠鏡との機械的インターフェース
部も含めた総重量を現行Suprime-Cam並にすることとした。
また、製造コスト・期間を考慮に入れ最終的に視野を直径
1.5度角(1.8平方度)と決定した。この視野全面で総合結像
性能0.36秒角以下を目指す(FWHM, i’バンド シーング
は除く)。
6枚のフィルターを搭載し、最短露出時間は1秒、116個の
CCD読み出し時間は約20秒である。観測効率向上のために、
オートフォーカス及びオートガイド機能もカメラに内蔵する。
HSC開発プロジェクトは、台湾中央研究院(ASIAA)、プリンストン
大学、東京大学IPMUと、機関パートナーを増やし、
ハード・ソフト開発を分担している。また、HSC Science
Collaborationが結成され、宇宙論だけでなくより多くの研究
テーマに有用なレガシーデータを取得するすることを
目指している。現在100名近い研究者が参加し、観測
プロポーザルの作成準備を行っている。
HSCは2011年5月に国内での組み上げ試験を完了し、その後
ハワイに向けて出荷、同年秋にファーストライトを行う
予定である。完成すれば現行Suprime-Camのおよそ7.2倍の
探査能力を達成することになる。布Pan-STARRS,
米Dark Energy Survey等、我々と競合するプロジェクトがあり、
将来はより大規模な米LSST計画がある。その中で
すばるが唯一、高い結像性能を実証している。これを武器に
他ではできない成果に結びつけたい。 - 連絡先
- 名前:高橋竜太郎
1月17日(月)
- キャンパス
- 三鷹
- セミナー名
- ワークショップ「銀河形成と化学進化」
- 臨時・定例の別
- 臨時
- 日時
- 1月 17日( 月曜日) 10時 ~ 17時
- 場所
- 講義室
- 講演者・所属
- Eline Tolstoy (University of Groningen)
Andrea Ferrara (Scuola Normale Superiore) - 内容
- 初期世代の星形成と矮小銀河研究の第一人者であるお二人を招い
てのインフォーマルな会合です。お気軽にご参加ください。 - 世話人の連絡先
- 名前: 青木和光