Low Frequency Radio Observations for M-dwarfs with the GMRT

【日時】4月20日(水) 10:30~12:00
【場所】国立天文台・三鷹 中央棟(北)1階 講義室
【発表者(敬称略)】小池 一隆(総研大 D3・野辺山、指導教員 : 出口 修至)
【タイトル】Low Frequency Radio Observations for M-dwarfs with the GMRT
【アブストラクト】
 M型矮星は、恒星の中でも特に質量の軽い星です。このような低質量星に関する電波での詳しい研究は、始められてまだ10年ほどしか経っていませんが、これまでに低質量星からの電波と考えられるものが十数個程のM、L型星に対して4.8GHzや8.4GHzで検出されています。これら電波の放射機構としては、当初、その周波数や激しい強度変動からgyrosynchrotron 放射であると考えられてきましたが、その後、100%に近い円偏光度を持った電波放射が観測されると、新たに electron-cyclotron maser放射という放射機構が提案され、さらに今日では、そういった変動の見られない定常的な電波放射も観測されるなど、複数の放射機構が存在すると考えられています。
 そこで私たちは、他の低質量星についても電波観測を行い、いずれの放射機構が多数を占めるのか、また新たな特徴を持った電波放射は見られないのか、調査をすることにしました。本発表では、2009年6月にインドのGiant Metrewave Radio Telescope (GMRT)を用いて行ったM型矮星の電波観測結果について報告します。この観測では、近くにM型矮星が見られる電波源(FIRST天体、1400MHz)8天体について、3つの低周波数(1400、610、240MHz)で観測を行いました。
またその他、今回は低周波電波観測において広い領域のイメージを作成する方法(Polyhedron Imaging)についても簡単にご紹介します。