JVNによるUC HII領域W3(OH)に付随する6.7GHz帯メタノールメーザー源観測

【日時】6月30日(水) 10:30~12:00
【場所】国立天文台・三鷹 中央棟(北)1階 講義室
【発表者(敬称略)】松本 尚子(総研大 D3・三鷹、指導教員 : 本間 希樹)
【タイトル】JVNによるUC HII領域W3(OH)に付随する6.7GHz帯メタノールメーザー源観測
銀河系棒状構造を探るための試験観測として、VERAによる位置天体観測のための新しいツールである6.7GHz帯メタノールメーザー源の観測を行ってきた。
対象天体は大質量星形成領域かつUltra Compact HII領域のW3(OH)である。
今回のコロキウムでは、VERA局を含む大学連携 VLBIネットワーク(JVN)を用いて測定したこのW3(OH)までの年周視差およびLSRに対する絶対固有運動の結果と、W3(OH)領域内の6.7GHz帯メタノールメーザー源の内部固有運動の結果を報告する。
今回得られた距離測定精度はアメリカの電波干渉計 VLBAによる12GHz帯メタノールメーザー源観測と誤差の範囲で一致する結果が得られ、本結果はRygl et al. (2010)に続く2例目の6.7GHz帯メタノールメーザー源の年周視差計測結果となる。
また、6.7GHz帯メタノールメーザー源の内部固有運動を初めて計測した。
W3(OH)に関して、6.7GHz帯メタノールメーザー源はOHメーザー源と比較的良く似た領域に分布すること、12GHz帯メタノールメーザー源と視線速度や相対位置が酷似していることが報告されている(Menten et al. 1992)が、視線速度・相対位置に加え、天球面上の運動についても比較可能になった。