星形成領域におけるAKARI赤外線観測(2)

【日時】6月10日(水) 11:00~12:30
【場所】国立天文台・三鷹 北研1階講義室
【タイトル】星形成領域におけるAKARI赤外線観測(2)
【発表者(敬称略)】佐藤 八重子(総研大 D2・三鷹、指導教員 田村 元秀)
 2006年に打ち上げられたAKARIは、赤外線での全天サーベイを目的とした赤外天文衛星である。AKARIには2つの装置が搭載されており、近赤外線から遠赤外線(1.7~180 micron)の広い波長域で撮像・分光観測が行なわれ、多くの成果を残してきた。
 これまでに、我々は星形成グループのミッションとしてAKARIでの撮像観測を行なったが、その数は約200視野に及ぶ。これらの中から、星形成過程における個々の星周構造を研究していくために、今後は星のクラスターがあり、重い星を含まない領域について、統計的な議論を行なって行く予定である。O型星のような重い星を含まない中質量星形成領域では、原始星の進化は比較的遅いため、また大質量星による影響がないため、星周構造が残りやすいと考えられる。
 今回は、近赤外線(3,4micron)・中間赤外線(7,11micron)のデータを用いて、星形成領域GGD12ー15において解析を行なった。この天体は、これまでにIRSF/SIRIUSでの観測・解析を行ない、議論してきた。その結果もふまえ、2色図やSEDなどから得られる星周構造の有無についてやこの領域に属する若い天体について分類・議論していく。