【日時】5月13日(水) 10:30~12:00
【場所】国立天文台・三鷹 北研1階講義室
【タイトル】シュヴァスマン・ヴァハマン第3彗星からもたらされる流星雨の可能性と今後の展望
【発表者(敬称略)】堀井 俊 (総研大D2・三鷹、指導教員 渡部 潤一)
流星群は、地球が彗星から放出された濃いダストのトレイルを横切るときに出現する。
2006年に回帰したシュヴァスマン・ヴァハマン第3彗星(73P/Schwassmann-Wachmann)の核は、少なくとも過去2回の回帰の間に多くの破片に分裂してきており、今までに50個以上の分裂核が検出されている(一説には大小合わせて154個のミニ彗星が検出されたとも言われている)。それに関連した濃いダストのトレイルが、スピッツァー宇宙望遠鏡による赤外観測で検出されているので、将来、これらが活発な流星群の活動を引き起こすことが大いに期待される。
実際、過去の事例を探ってみると、1842/1843年に分裂したビエラ彗星(3P/Biela)が、後にアンドロメダ座流星群(Andromedids)として、1時間あたり数万個という流星雨をもたらしたという記録が残っている。
そこで、我々はこのシュバスマン・ヴァハマン第3彗星に対して、いわゆるダスト・トレイル理論を適用し、この彗星がもたらしうる流星群が将来あるかどうか、その可能性を調べてみた。その結果、将来、いくつかのダストのトレイルが地球に非常に接近し、流星群の活発な活動の可能性があるということが分かった。
今回の発表では、この研究の途中経過と今後の展望について発表する。