【日時】1月11日(水) 10:30~12:00
【場所】国立天文台・三鷹 中央棟(北)1階 講義室
【発表者(敬称略)】(総研大 橋詰 克也 M1・三鷹、指導教員 : 藤本 眞克
【タイトル】
Gravitational Wave Data analysis and Experiments
【アブストラクト】
現在、重力波の初検出を目指して世界で地上大型重力波望遠鏡の開発が進められている。
重力波は微弱な信号であり、次世代の重力波望遠鏡が恒等的に持つであろう雑音レベルと同程度かそれ以下の成分であると考えられる。従って望遠鏡の出力の雑音から重力波信号の成分を取り出す処理をしなければならない。雑音の1つに鏡を吊るす懸架系のワイヤーの共振周波数が励起されたようなものなど、狭帯域で強いパワーを持つもの(ライン)があり、その帯域のバースト性重力波の観測を困難にする。LCGT世代の地上大型重力波望遠鏡でもラインは高感度な帯域に存在し感度の悪化を招くため、ラインの除去は重要となる。
我々はそのライン除去法に関する開発を進めており、本講演では手法の概要、解析のシミュレーション結果を報告する。
また、地上大型重力波望遠鏡の他に重力波観測を宇宙空間で行う計画も進められており、現在日本のスペース重力波アンテナ:DECIGOの開発が行われている。宇宙空間での重力波観測は地面振動の影響無いことや基線長を稼ぐことができるため、低周波の重力波観測に適している。そのため地上大型重力波望遠鏡とは異なるサイエンスが期待できる。
DECIGOの技術検証を目的とした前哨衛星:DPF(DECIGO
Pathfinder)に搭載される姿勢制御用スラスターには、太陽風などの外乱の中で高精度なドラッグ・フリー技術を達成するためにマイクロスラスターが用いられようとしている。我々は低インテンシティCWレーザー推進に注目し、その技術開発も行っている。
本講演では低インテンシティCWレーザー推進によるスラスター開発の現状と今後の課題も合わせて報告する。