2023.3.13-2023.3.19


Mar. 17 Fri   16:00-17:00  NAOJ Seminar        Zoom/Large Seminar Room(hybrid)


詳細は下記からご覧ください。

=============== Mar 17 Fri ===============

Campus:Mitaka
Seminar:NAOJ Seminar
Regularly Scheduled/Sporadic:Regular
Date and time:2023 March 17, 16:00-17:00
Place: Zoom/Large Seminar Room(hybrid)
Speaker:髙見 英樹/ Hideki Takami
Affiliation:NAOJ
Title:宇宙をもっとはっきり見たい。補償光学の話し、など。
Abstract:観測天文学者にとっては、天体をもっとはっきり(鮮明に)見たいということが究極の願いの1つです。私が子供のころには、すでに光の望遠鏡は口径5mのパロマー望遠鏡がありました。物理学の理論では望遠鏡の口径に比例して解像度が高くなるので、どんなに鮮明に見えるのかと思いきや、現実の天体観測の解像度は大望遠鏡でも地球大気の揺らぎのために口径10cm程度のアマチュア望遠鏡とあまり変わりません。これは長い間仕方がないことと考えられてきました。
 しかし、光波の位相の複雑なずれを物理的に直してしまう補償光学という技術(音波のノイズキャンセレーションヘッドホーンと同じ原理)が1970-80年代に実現し、大望遠鏡でも光の理論限界の解像度が得られるようになりました。私は、1980年代の終わりにその記事を読んだときに「そんなことが可能なはずがない」と思ったのですが、あまりに魅力的だったので、それまでの赤外線観測から補償光学の研究に足を踏み入れました。そして、すばる望遠鏡でそれを実現する仕事に従事するようになりました。
 その後、補償光学は進歩を重ね、今では太陽系外の惑星の直接撮像や、我々の銀河中心のブラックホールの発見に本質的な貢献をしています。また、天文学以外の分野でも使われるようになってきました。講演では、補償光学を中心に私の研究に纏わる話をしたいと思います。

Facilitator
-Name:Hori, Yasunori