国⽴天⽂台・総合研究⼤学院⼤学サマーステューデントプログラムが2024年8月1日(木)~ 8月30日(金)に実施されました。これは今年で14年目になる夏休み期間の研究体験プログラムで、⼤学2年または 3年に在学する学⽣が国⽴天⽂台に滞在し、受⼊教員の指導のもとで研究することができる企画です。天文学に興味を強く持ち、意欲のある大学学部生に体験研究の機会を設けることで、将来天文学研究を志す人材を育成することを目的としています。実際、このプログラムの修了⽣が国立天文台の総研⼤に入学し、研究者として活躍している例も多くあります。
本年度も天⽂学研究から装置開発まで、⾮常に幅広い分野の教員がサマーテューデントプログラムに参画しました。各教員が研究指導内容のシラバスを提出し、それをもとに学⽣がやりたい研究を希望することができます。
全国の大学から、49名の学生の応募があり、25名の学⽣を選抜しました。学生の挑戦する研究テーマは月の研究から遠方銀河、さらには装置開発、数値シミュレーションまで実に多岐にわたります。それぞれの学生が教員の指導を受けながら、プログラミング言語を用いたデータ解析や数値計算、装置開発における部品の設計など、通常の大学の講義では触れられない内容を濃密に経験することができました。研究体験だけではなく、昼食やコーヒーを飲みながらの雑談を通じて、研究とはどういうものかを少し具体的に知ることができたかもしれません。
サマーステューデントプログラムのまとめとなる研究成果発表会を2024年8月30日(金)にハイブリッド形式で国立天文台三鷹キャンパスにて開催しました。参加した学生の多くは対面での発表をし、限られた研究期間にも関わらず質の高い発表が多くみられました。また、学生からの質問も多く議論が盛り上がり、盛況のうちに閉会しました。参加学生と教員ともに中身の濃い、有意義な1ヶ月となりました。この一夏の経験が、学生にとっても教員にとっても、今後の役に立つことが期待されます。
田中 賢幸(国立天文台ハワイ観測所 / 総研大 先端学術院 天文科学コース)
滝脇 知也(国⽴天⽂台天文シミュレーションプロジェクト / 総研大 先端学術院 天文科学コース)