国立天文台・総研大天文科学専攻スプリングスクールプログラムが2024年2月26日(月)―2月29日(木)に開催されました。これは、将来天文学研究を志す人材を育成するために、大学理工系学部3年または2年に在学する天文学研究に強い意欲を持つ学生を対象として、国立天文台の最先端研究に携わる研究者が天文学基礎の集中講義および体験学習を行うプログラムです。
集中講義では、国立天文台の多様な分野からの9名の教員により、惑星形成、恒星、銀河進化、星形成、ブラックホール、恒星磁気活動、降着円盤、重力波天文学、装置開発について講義が行われ、日本全国から参加した合計34名の学部学生に、普段の大学の講義ではあまり触れない天文学の専門的な内容を学んでもらいました。
集中講義の他、「体験学習」を実施し、太陽から遠方宇宙までの様々なスケールの天体や天文現象についての研究を、解析実習や論文輪読などを通して体験してもらいました。また、二日目の午後には、4D2Uシアターと先端技術センターの施設見学が行われました。最終日の講義のあとには関井コース長から入試情報の説明がありました。
プログラム後のアンケート結果から、同年代の仲間と交流したり、将来の研究方向について考える機会として活用されたこと、また多くの参加者が様々な講義から新たな知見を得て、質問しやすい環境で有意義な時間を過ごせたという非常に前向きなフィードバックを多数いただきました。一方で、参加者同士の交流の機会を増やしてほしいという意見もありましたので、来年度以降はその点を改善するための検討を世話人で行いたいと思います。
先端学術院 天文科学コース 伊王野大介(国立天文台 TMTプロジェクト)、鹿野良平(国立天文台 JASMINEプロジェクト)