国立天文台・総研大天文科学専攻スプリングスクールプログラムが2023年2月27日(月)―3月2日(木)に開催されました。これは、将来天文学研究を志す人材を育成するために、大学理工系学部3年または2年に在学する天文学研究に強い意欲を持つ学生を対象として、国立天文台の最先端研究に携わる研究者が天文学基礎の集中講義および体験学習を行うプログラムです。今年は、新型コロナウィルスの影響が収まりつつあったため、4年ぶりに対面(ただし、講義はオンライン接続可)で開催しました。
集中講義では、国立天文台の多様な分野からの9名の教員により、惑星形成、遠方銀河・銀河団、銀河考古学、星形成、ブラックホール、太陽物理学、差動回転円盤、重力波、装置開発について講義が行われ、日本全国から参加した合計37名の学部学生に、普段の大学の講義ではあまり触れない天文学の専門的な内容を学んでもらいました。
集中講義の他、「体験学習」を実施し、太陽から遠方宇宙までの様々なスケールの天体や天文現象についての研究を、解析実習や論文輪読などを通して体験してもらいました。また、二日目の午後には、4D2Uシアターと先端技術センターの施設見学が行われました。最終日の講義のあとには関井副専攻長から入試情報の説明がありました。
プログラム後のアンケートでは、「同志と呼べる友達が出来た」「やはり対面に尽きる」「同じ興味を持った学生との交流が非常に刺激になった」「かけがえのない時間となった」など、対面開催に対して大変ポジティブな意見が多かったことが印象的です。また、「研究者としての進路を考える上でとても有意義な情報を得ることができた」「リモートでの参加が快適であった」「貴重な体験ができた。参加してよかった。」など、前向きな感想をたくさんいただきました。
物理科学研究科 天文科学専攻 伊王野大介(国立天文台 TMTプロジェクト)、
鹿野良平(国立天文台 JASMINEプロジェクト)、大村優美子(国立天文台 研究推進課⼤学院係)