田中 賢幸(たなか まさゆき、 Masayuki TANAKA)
職名
研究内容の紹介
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宇宙の中で銀河がどのように生まれ、どのように育ち、そして現在見られる銀河宇宙を形作ったのかを観測的に理解しようと、すばる望遠鏡やKeck望遠鏡といった世界の大望遠鏡を用いて、近傍宇宙から遠方宇宙まで多角的・包括的な研究を行っています。特に、(a)初期宇宙における巨大銀河の形成メカニズム、(b)近傍銀河を用いた観測的宇宙論、(c) 市民天文学プロジェクト GALAXY CRUISE の推進と銀河の衝突・合体が銀河進化に与えた影響の解明、(d) 高精度測光的赤方偏移の推定手法と、銀河のスペクトルエネルギー分布から探る星種族の推定手法、(e)環境に依存した銀河形成・進化と活動的なブラックホールの役割の研究などを行っています。 また、観測所業務としてHyper Suprime-Cam を用いた大規模サーベイや、近い将来始まる Prime Focus Spectrograph を用いたサーベイを推進しています。
略歴
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2006年 東京大学理学系研究科天文学専攻博士課程短縮修了
2007年 European Southern Observatory Fellow
2010年 東京大学数物連携宇宙研究機構 Distinguished Postdoc
2013年 国立天文台ハワイ観測所特任助教
2018年 国立天文台ハワイ観測所准教授
専門分野
研究のキーワード
- 銀河形成・進化、観測的宇宙論、測光的赤方偏移、市民天文学 、大規模構造、遠方銀河団、活動銀河核
現在の研究課題
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銀河形成・進化の観測的解明。近傍銀河を用いた観測的宇宙論。高精度測光的赤方偏移手法の開発。 すばる望遠鏡と市民天文学によるビッグデータを用いた機械学習。
所属学会
主要業績 (論文、著書)
- “Stellar Velocity Dispersion of a Massive Quenching Galaxy at z = 4.01”, Tanaka et al. 2019, ApJ, 885, L19
- “Second data release of the Hyper Suprime-Cam Subaru Strategic Program”, Aihara et al. (corresponding author), 2019, PASJ, 71, 114
- “First data release of the Hyper Suprime-Cam Subaru Strategic Program”, Aihara et al. (corresponding author), 2018, PASJ, 70, S8
- “Photometric redshifts for Hyper Suprime-Cam Subaru Strategic Program Data Release 1 “, Tanaka et al. 2018, PASJ, 70, S9
- “A Spectroscopically Confirmed X-ray Cluster at z = 1.62 with a Possible Companion in the Subaru/XMM-Newton Deep Field” Tanaka, Finoguenov, Ueda, 2010, ApJ, 716, L152
- “The build-up of the colour-magnitude relation as a function of environment” Tanaka et al. 2005, MNRAS, 362, 268
- “The Environmental Dependence of Galaxy Properties in the Local Universe: Dependences on Luminosity, Local Density, and System Richness” Tanaka et al. 2004, AJ, 128, 2677
- 2013年 日本天文学会 研究奨励賞
最近の研究業績
- a) 編著書
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- b) 論文等
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主要業績の論文を参照のこと
- c) 新聞記事(インタビュー)
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- d) 雑誌(インタビュー含む、対談、その他)
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- 天文月報2007年5月号: 銀河の色等級関係の形成
- すばるウェブリリース2008年10月: すばるが挑む宇宙の環境問題
- ESO ウェブリリース2009年11月: Shedding Light on the Cosmic Skeleton
- すばるウェブリリース2010年5月: 見えない光で発見! 96 億年前の巨大銀河の集団
- 天文月報2010年11月号: 見えない光で発見! 96億年前の銀河団
- 天文月報2013年11月号: 遠方銀河団の銀河種族とAGN活動性
- 天文台ニュース2013年11月号: 銀河進化
- 天文月報2015年1月号: TMTによるサイエンス―系外銀河
- すばるウェブリリース2016年7月: 夜空に浮かぶ太古の目
- すばるウェブリリース2018年11月: 重くて小さい、初期宇宙の早熟銀河
- 天文台ニュース2019年1月号: 「すばる秋の学校2018」報告
- 天文台ニュース2019年2月号: HSC-SSP の観測計画と実際の観測
- 理科年表2019年: Hyper Suprime-Camの初期成果(トピックス)
- 天文月報2019年3月号: HSCで探る中間赤方偏移銀河
- すばるウェブリリース2019年12月: 巨大銀河の核は 120 億年前にはすでにできていた
- 天文台ニュース2020年2月号: GALAXY CRUISE へようこそ
- 星ナビ2020年4月号: ときめく銀河分類
台外活動(大学教育、社会活動、アウトリーチ等)
- 総研大や東京大学での大学院講義
- NHK文化センターや朝日カルチャーセンター、科学館での一般向け講演
- 「ふれあい天文学」での講演
- 国立天文台や自然科学研究機構を通じた科学記者への講演
- テレビ等でのメディア出演(おはよう日本、サイエンスゼロなど)
代表者を務めた研究・プロジェクト
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2019-2021 「冷たい暗黒物質モデルにおけるMissing Satellite問題の統計的検証」科研費基盤研究(B)
2015-2018 「初期宇宙における巨大銀河の形成と進化」 科研費若手研究(B)
2011-2015 「高赤方偏移銀河団の統計的研究」 科研費若手研究(B)
2004-2006 日本学術振興会科学研究費補助金, 特別研究員奨励費(DC1)
関連ホームページ
連絡先
- masayuki.tanaka[at]nao.ac.jp
([at]を@に変更してください)