超新星背景ニュートリノ検出率予測のニュートリノ温度依存性について

【日時】6月9日(水) 10:30~12:00
【場所】国立天文台・三鷹 中央棟(北)1階 講義室
【発表者(敬称略)】鈴木 重太朗(総研大 D3・三鷹、指導教員 : 梶野 敏貴)
【タイトル】超新星背景ニュートリノ検出率予測のニュートリノ温度依存性について
重力崩壊型超新星爆発の際には、多量のニュートリノが発生して束縛エネルギーの大半を持ち去ると考えられている。また、ニュートリノは他の物質との反応性が極めて乏しいことから、過去の超新星爆発の際に発生したニュートリノが現在でも宇宙空間に存在していると考えられており、近年中に稼動を始める見込みの大型の水チェレンコフ検出器を用いれば、これらの持つ情報を解析することが出来る可能性があり、超新星爆発やニュートリノ自体についての研究に大きく寄与すると考えられる。
但し、超新星背景ニュートリノの検出率に関しては幾つかの不定性が指摘されており、そのなかでも検出率及びエネルギースペクトルに大きく影響を及ぼす要素として、超新星内部のニュートリノ温度が明らかになっていないことがあげられる。
そこで、本研究では、超新星元素合成と銀河化学進化モデルを元にニュートリノ温度をフレーバーごとに分けて推定することで、このような不定性を減じ、ニュートリノ検出率及びそのエネルギースペクトルをこれまでより精密に予測する方法を提案する。
今回の発表では、研究の概要と結果のうち、前回発表以降に進展した部分を中心に報告する。