惑星形成過程にガス抵抗があたえる影響について

【日時】5月19日(水) 10:30~12:00
【場所】国立天文台・三鷹 中央棟(北)1階 講義室
【発表者(敬称略)】押野 翔一 (総研大 D3 ・三鷹、指導教員 : 牧野 淳一郎)
【タイトル】惑星形成過程にガス抵抗があたえる影響について
太陽系形成の標準モデルによると、惑星系は水素、ヘリウムなどのガスが質量の約99%をしめ、残りがダストで構成されている原始惑星系円盤から形成される。
円盤中のダストから微惑星ができ、その後微惑星同士が衝突合体することにより現在の岩石惑星及びガス惑星のコアが形成されたと考えられている。
この段階の形成過程では、微惑星どうしの重力相互作用によって微惑星は集積しているためN体シミュレーションを用いた研究が多く行われている。
先行研究で行われているN体シミュレーションでは計算量の問題から一つの微惑星の質量が10の23乗gの初期条件が用いられている。
一方、重力不安定説によれば原始惑星系円盤中に存在するダストから形成される微惑星の質量は不安定の波長内のダスト質量となるため、太陽系標準円盤の面密度を仮定すると、重力不安定によって形成される初期の微惑星の質量はより小さい可能性がある。
微惑星は円盤内のガスから抵抗を受けるが、この効果は小さい粒子ほど相対的に重力にたいするガス抵抗の影響が大きくなる。そのためより小さい微惑星の初期条件を用いてガス抵抗が惑星形成過程にどう影響するか調べる必要がある。
本発表では現在行っているガス抵抗を考慮したN体シミュレーションについて報告する。