Weak lensing+photo-z catalog による銀河団探査

【日時】4月28日(水) 10:30~12:00
【場所】国立天文台・三鷹 中央棟(北)1階 講義室
【発表者(敬称略)】内海 洋輔(総研大 D2・三鷹、指導教員 : 宮崎 聡)
【タイトル】Weak lensing+photo-z catalog による銀河団探査
銀河団は宇宙最大の重力束縛系である.
質量のほとんどがダークマターでしめられている.
銀河団の進化は自己重力による収縮過程と宇宙膨張による成長の阻害の二つの過程が支配しているので,銀河団の個数や質量関数の進化は宇宙論パラメータに強く依存している.
この点に着目して宇宙論パラメータを調べる研究は可視光観測,X線観測によってすでに多くなされてきた(e.g. Abazajian et al., 2005; Vikhlinin et al., 2009).
しかしこれらの手法では質量となんらかの観測量の間の関係を仮定する必要があるため質量関数などを構築する上で,系統的なバイアスを生みやすい.
そこで質量を直接反映する弱重力レンズ効果を使った研究が重要になる.
一方弱重力レンズ効果を使った銀河団探査では銀河団の存在を確認することはできるが,その赤方偏移を測ることができないために質量を決めることができない.
しかし将来的に計画されている1000平方度を超える HSC wide survey では分光フォローアップが現実的ではなくなるので photo-z を使うことを検討している.
今回は予備的な研究として SDSS photometric redshift catalog と比べることで銀河団の赤方偏移が決められるかを検討した.
本講演ではその経過報告と今後の展望について述べる.