Super Suprime-Cam で探る最遠方 QSO 周辺環境

【日時】7月8日(水) 10:30~12:00
【場所】国立天文台・三鷹 北研1階講義室
【タイトル】Super Suprime-Cam で探る最遠方 QSO 周辺環境
【発表者(敬称略)】内海洋輔(総研大 D1・三鷹、指導教員 宮崎聡)
近年の観測によりz~6の高赤方偏移ですでに QSO が形成されていることが確認されている.
階層的構造形成モデルの枠組みでは,QSO のような非常に重い天体を形成するためにはその周囲がダークマターの密度超過領域であることが示唆される.
銀河は同様にダークマター中の密度超過領域で形成されると考えられているので,QSO 領域には個数密度超過が検出されることが期待される.
ところが,こうした高赤方偏移 QSO 領域の HST/ACS によるi-drop 銀河の観測では必ずしも密度超過があるとは確認されていない.
これの一つの可能性として QSO による数Mpcにわたる輻射フィードバックが QSO 周辺部の銀河形成が抑止されている可能性を示唆するが,HST/ACS の視野が 3.4’x3.4’(一辺~1Mpc/h)
と狭いために確認されていない.
そこで我々は34’x27’(一辺~10Mpc/h)の広視野をもつすばる望遠鏡主焦点カメラ Suprime-Cam を用いることにした.
さらに新 Super Suprime-Cam には 10,000nm を超える波長でも感度がある完全空乏型 CCD が搭載され,これまで困難であった z'(9,106nm)-z_R(9,881nm)を用いたz-drop 法が容易に可能となった.
z-drop は 6