Tνを考慮したSupernova Relic Neutrinoの検出率について

【日時】11月7日(金) 10:30~12:00
【場所】国立天文台・三鷹 北研1階講義室
【タイトル】Tνを考慮したSupernova Relic Neutrinoの検出率について
【発表者(敬称略)】鈴木 重太朗(総研大D1 ・三鷹、指導教員 梶野敏貴)
観測的宇宙論における最近の関心事の一つに大質量星の形成率があげられる。
大質量星の形成率を時間的に遡って調べるための手段としては、これまでに用いられてきた紫外線のほかに、最近のニュートリノ検出装置の性能向上により、2 型超新星爆発の際に多量に放出されるニュートリノ(SRN)のエネルギースペクトルを使って調べる方法が用いられ始めている。
但し、SRN を使って大質量星の形成率を調べる方法にはいくつかの問題点があり、その一つとしてニュートリノのフレーバー毎の温度が明らかになっていないことがあげられる。本研究では、軽元素に関する銀河化学進化(GCE) を用いて、SRN 検出率におけるニュートリノ温度由来の不確かさを取り除く方法を提案する。
具体的にはB(11)がType-2 超新星と宇宙線の両方によって合成されるのに対し、B(10) は宇宙線によってのみ合成されることを用いると、フレーバー毎のニュートリノ温度を推定することができ、SRN のエネルギースペクトルをより精密化することができると考えられる。今回の発表では、本研究の概要・手法および結果の一部について述べる。